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魚へんに「春夏秋冬」でなんと読む?国字漢字の意味はなに?

投稿日:2019年9月25日 更新日:

漢字魚へん
四季折々に味わう魚。
旬の魚。

存在する魚に名前があっても、
漢字がなかったら?

中国になくても、
日本が作らないわけはない!

日本で生まれた、魚へんに
「春・夏・秋・冬」

どんな漢字で、なんと読むか。
意味も含めて紹介します。

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魚へん 漢字 春夏秋冬

魚へんに「春・夏・秋・冬」の漢字をあてると、
どんな魚になる?

部首\つくり
魚夏
読み さわら わかし かじか このしろ

※1字漢字も存在。後で紹介。

国字といって、日本でつくられた和製漢字があります。
「躾(しつけ)」「峠(とうげ)」や「辻(つじ)」のことです。
創作和字のことですね。

魚へんの漢字。
実は、ほとんどが国字なんです。

鮗や魚へんに夏の字、鱪は日本にしか存在しない国字。
日本で作られたが中華圏でも偶然、存在する国字が、
鰆、鰍。

魚へんに春夏秋冬がつく漢字は、すべて国字でした。
魚と四季とくれば、日本の得意とするところですね。

そんな、「春夏秋冬」がつく漢字の名前や意味を
一つひとつ、みていきましょう。

春夏秋冬を含む漢字を一覧表にしてみました!

魚へんに春の漢字

「魚 + 春」で、鰆。
読みは、「さわら」です。

訓読み さわら
音読み シュン
部首 魚(うお、うおへん、さかなへん)
画数 20画
意味 サバ科サワラ属の魚。

鰆(さわら)とは、どんな魚なのか。

結構、大きいです。
全長は、最大で約1メートルを超えます。
重さも大きいと10kg近くなります。

ちょうどマグロを細長くした形で、体の上部に
青緑色の斑点があります。

陸揚げすると、色が消えて斑点のみが目立ちますが、
水中では、キレイな青色が上部にあり美しい魚です。

北海道から沖縄までの沿岸に生息する海水魚です。

日本海と瀬戸内海では、春に来遊して冬に外海に
出ることから春と名付けられたのでしょう。

魚へんに「春」と書いて「さわら」と読むのは、
瀬戸内海の地域が主流ですしね。

季語も「春」の魚です。

一匹の 鰆を以って もてなさん     高浜 虚子

出世魚なので、呼び名が変わります。
サゴシ、又はサゴチ(青箭魚) 40-50cm
→ナギ(ヤナギ) 50-60(70)cm
→サワラ 60(70)cm以上

サワラの大きさの基準~大きい方が関西。
関東は、大きさの基準が関西と比べると小さい。

細長い体を形容した「狭い腹」から「狭腹(さわら)
と呼んだのが語源とされています。
「小腹」、「狭腰(サゴシ)」ともいう。

馬と鮫(サメ)の魚、「馬鮫魚」でもサワラとすることも。

江戸時代の日本の生物学書(農学書)『大和草本』には、
「馬鮫魚(さわら)あり、曰く魚太なれども、腹狭し、
故に狭腹(さわら)と号(な)ずく、サは狭小なり」
という記述が見られます。

和食によく用いられる素材で美味です。
お座敷の膳に焼き物や吸い物としてよく出てきますよね。

西京焼きやお刺身、竜田揚げ、酢の物、干物など
その調理のされ方も豊かです。

魚へんに夏の漢字

「魚 + 夏」で、?

正式な漢字はありません。
が、あります!

当て字として、存在します。
魚夏」と書いて「わかし」と読みます。

魚夏(わかし)」は、鰤(ブリ)の幼魚の名前
出世魚のことです。

主に関東地域での呼び名にあります。
幼魚から順に、ワカシ・イナダ・ワラサ・ブリ。

大阪などでは、ツバス・ハマチ・メジロ・ブリ。

ぶりと言えば冬の魚ですが、
ワカシは「初夏に釣れる」ことから命名されました。

大きさは35cm以下のものをいいます。
見た目は小さい、ブリです。
あまり幼魚と成魚で変化はないです。

ツバスを食べた刺し身の感想ですが、
味は、あっさりとしたブリでした。
脂が少なくて淡白ですが、食感はしっかりしています。

たま~に、漢字の専門書に紹介程度で、
魚へんに「夏」のつくりを付けた漢字を見かけます。

魚夏

ただ、これは正式な漢字ではなく「くずし字」として
紹介されています。

」とかいて、「ふぐ」や「あわび」と読みます。
「复(ふく)」の字を「夏」と書き間違えた字。
「ノ・一」が「一」にくずれたんですね。

くずれても、読みはそのまま。
「ふぐ・あわび」とするそうです。

角川大字源』角川書店の国字一覧
国字の字典』東京堂出版、『日本魚名収覧』角川書店には、
フグ、ハヤ、フクベの読みとして正式に記載されています。

夏の暑~い時期、海水温が高いころに獲れる魚、シイラ
シイラは、「魚+暑」で「」と書きます。
夏ではないですが、暑さつながりで紹介しました。

魚へんに秋の漢字

「魚 + 秋」で鰍。
読みは、「かじか」です。

訓読み かじか いなだ どじょう
音読み シュウ
部首 魚(うお、うおへん、さかなへん)
画数 20画
意味 かじか。淡水魚。
いなだ。ぶりの子供。
〈中国〉どじょう。淡水魚。

鰍(かじか)とは、どんな魚なのか。

日本の固有種で各地に生息。
ハゼに似た見た目で、川底を好みます。

淡水魚ですが、稚魚の時期を海で過ごす種類もあり。
大きいもので15cm前後に成長します。

「ゴリ、ドンコ、マゴリ、チチンコ」とも呼ばれる。
厳密には、ゴリとドンコとは違う魚。

鰍は、別名を多く持つ魚です。
川鰍(かわかじか)、川虎魚(かわおこぜ)、
霰魚(あられうお)、石伏(いしぶし)、河鹿(かじか)。

見た目に反して美味しいと評判の魚です。
山間部に住む人の貴重なタンパク源でありました。
川の鹿と書いて「河鹿(かじか)」と呼ぶように
鹿と似て味が濃厚であるといわれています。

混同しますが「河鹿」はカエルの名前でもあります。

魚の「河鹿」は、鹿の鳴き声に似ているから、又は、
味の濃厚さが鹿に似ているからと由来があります。

カエルの「河鹿」も魚の「鰍=河鹿」も、
見た目と鳴き声が似ているので同じ名前になりました。

昔は、魚の鰍が鳴くと勘違いしていたそうです。

旬の時期は、春から秋。
冬の時期に多く流通しているが、
カジカ釣りの解禁が9月頃の秋に集中すること。

そこから、魚+秋と命名されたと思われます。
季語も秋に分類されます(季語歳時記より)

河鹿鳴いて石ころ多き小川かな
正岡子規 「子規全集」

河鹿の俳句は多いですが、この場合、
カエルの方ですね。
カエルの河鹿の季語も秋です。

魚へんに冬の漢字

「魚 + 冬」で鮗。
読みは、「このしろ」です。

訓読み このしろ
音読み
部首 魚(うお、うおへん、さかなへん)
画数 16画
意味 このしろ。ニシン科の海水魚。
こはだの成長魚。

鮗(このしろ)とは、どんな魚なのか。
ニシン科の硬骨魚。

コノシロは、出世魚。
シンコ(新子)、コハダ(小鰭)、ナカズミ、コノシロ(鮗)の順。

他に、魚へんに制で「鯯」、魚へんに庸で「鱅」とも書く。
子代でも、このしろと読む。
魚へんに「祭」と書いて、鰶(コノシロ)とも読みます。
秋のけんか祭り(灘)にコノシロを食べることから由来したという説も。

旬が冬とは限らない周年の魚。
なぜ、「冬」の字を当てるかはなぞ。

日本では、サンマを「」と書いて呼んでいました。
中国では、魚へんに祭りの「鰶」がコノシロ。
混同をさけるために冬の字を当てたという説も。

想像するに、魚に春を当てて「鰆」と呼ぶのは瀬戸内海地域が多い。
小鰭(小肌)より大きいコノシロを好んで食すのも瀬戸内海の人たち。

確かに瀬戸内海地方では、鮗(このしろ)鮓(スシ)は秋冬が旬。
だから、魚に冬を当てたのかなと想像します。

10cm程の若魚がシンコやコハダだが、
コノシロは大きいもので、30cmくらいまで成長する。

新子や小鰭は、関東が本場。
ナカズミやコノシロは、マイナーな存在で「コハダの親」、
「大きい小鰭」で認知されている。
コノシロは、好き嫌いが地域差で分かれる魚。

くさみがあり、酢締めや寿司(鮓)を思い浮かべるが、
塩焼きや唐揚げで食しても(ホント!)美味。

コノシロの由来と伝え

コノシロはその昔、大量に獲れることから下魚扱いされました。
「飯の代わりにする魚」という意味から「飯代魚(このしろ)」と
呼ばれたのが由来とされています。

「飯」のことを「コ」や「コオ」といって、鮓のネタや雑炊の
煮付けの材料も「コ」、「コオ」と言いました。

「コ、コオ」の代わりで「コの代」、
「コノシロ」となったと言われています。

北関東の言い伝え
むかし下野国(栃木県)に美しい娘がいた。常陸国(茨城県)の国司が
見初めて結婚を申し込む。
娘には契りを交わした人がいて、懐妊していた。
娘の親は「娘は病死した」と嘘をいい、コノシロ(ツナシ)を棺桶に
入れて火葬のまねをした。
(ツナシを焼くと、人が焦げるニオイがするのだとか)
国司の使者たちは、娘が死んだと思い帰っていった。

武士とコノシロ
『塵塚談』によると、
「武士は決して食せざりしものなり、
コノシロは『この城』を食うというひびきを忌(いみ)てなり」
と、あります。
「この城を食べる」を縁起が悪いと思ったんですね。
ただ、食べると美味しいので名前を変えて
「コハダ」としたという言い伝えもあります。

太田道灌
逆に、縁起の良い話として、
太田道灌が江ノ島の弁財天に参詣した帰りの渡し舟に、
コノシロが飛び込むのを見ました。
これは「九城が手に入る瑞兆(ずいちょう)だ」と喜んで
江戸城を築城したという由来があります。『江戸懐古録』

瑞兆の魚だからなのか、徳川将軍が食べてはいけない魚に
コノシロ、こはだが入っています。

まとめ

魚の名前は、地域によって違うことがよくあります。
幼魚や成魚で名前も見た目も変わってくるので、
呼び方がたくさんあるのでした。

名前がたくさん、あるのだから漢字も増えるわけですね。
混同しやすいですが、魚へんの漢字は日本生まれがたくさん。

想像しながら、読みを当ててみるのも楽しいです。
以上、魚へんに「春夏秋冬」の漢字を紹介しました。

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