アニメ「ちびまる子ちゃん」でもお馴染み、
丸尾くんのいつものセリフ、
「ズバリ!◯◯でしょう!」
この「ズバリ」はどこから来たのか。
どんな意味や使い方があるのか。
ずばり、ズバズバと解説します!
「ズバリ」の意味とは?
まずは辞書で確認してみましょう。
①一気に刺したり切りつけたりするさま。
「―と切り裂く」
②物事の急所や核心を確実につくさま。
「―と言い切る」
広辞苑 第5版 岩波書店
ズバリの意味
刀などの刃物で勢いよく切り落とす。
物事、事柄の要点や中心を力強くぴったりとつくようす。
「語源」と言うほどの明確な由来は不明なようです。
いつの頃からか、皆が使い始めた言葉です。
鎌倉時代の『源平盛衰記』にも、
「物を軽くなでさするさま」と「ずばり」の記述がある。
(意味するところは、違います)
ただ、文章に残るようになったのは、近代日本語が生まれる時代。
明治時代より、多く使われる表現です。
昔の日本人は、゛(濁点)を書くことを嫌っていました。
濁点を不浄なものと考えていました。
会話で「ずばり」と言っても、文章では「すはり」
刃物を連想する「ずばり」という言葉は、生々しく
避けられたのでしょう。
古くからあっても、文章には残らなかったように思います。
ずばりの仲間
【そのものずばり】
NHKラジオ番組「二重の扉」から普及した言葉。
〈意味〉
端的な言い回し。
回りくどい言い方をせず、核心に触れる。
〈使い方〉
1人称 「そのものずばり」言わせてもらうけど、~
2人称 あなたが指摘したことは「そのものずばり」です。
3人称 彼は会議で「そのものずばり」発言して、皆がハッとなった。
【ずばりずばり・ずばずば】
「ずばり-ずばり」
「ずばり」の繰り返し。
◯何度も、勢いよく(激しく)、突く・切るの動作をすること。
名語記(1275)~鎌倉時代の辞書から
「ずばりずばりときる 如何、すくはたれりの反、すくひられりの反」
島崎藤村『夜明け前』より引用
「天井板をずばりずばり 槍で突き上げる」
◯物事の核心、急所を重ねて、強くついていくこと。
「ずばずば」
◯続けて、思い切りよく、核心・急所をつくこと。
◯小気味よく、又は無遠慮に続ける様子。
「ずばり」の類語と使い方
「ずばり」は副詞であり、
「擬音語(オノマトペ)」でもあります。
「ずばり」や「ズバズバ」、
「ずばりずばり」「ずばっ」という言葉を用いる時は、
その言葉の後に『と』が付きます。
省略されたり、隠されたりする時もありますが、
魚の尾を「ずばり」(と)切り落とす。
答えを「ズバッ」(と)的中させる。
このように、多くのケースで「と」を伴って使用できます。
使い方で気をつけるポイントですね。
「ずばり」と言えば、次の四文字熟語を思いつきます。
『単刀直入』
ずばりの類語でもありますね。
①一人で敵陣に切り込むこと。
②前置きなしに、問題の要点をつくこと。
(短刀直入は、間違い)
「ずばり単刀直入に言う」など、
「ずばり」と似ていて相性のいい言葉ですね。
他の類語をみていきましょう。
正に、正確に、正しく、ぴったりと、ぴたっと、ぴたり、
きちんと、きっちり、はっきりと、ちょうど、ちゃんと
ストレートに、フランクに、ぶっちゃけて、
端的に、単刀直入に、歯に衣着せず、舌鋒鋭く
〈結びつく語〉
ずばり~
ずばり言う
ずばり命ずる
ずばり浴びせる
ずばり答え
ずばり指摘
ずばり聞く
ずばり的中
ずばりだ
ずばりしかる
~ずばり~
そのものずばり
ずばりずばり
こんなないずばり
やがてずばり
さらにずばり
やにわにずばり
〈ずばりの使い方と例文〉
ずばり議論の余地もない証拠のようなものがほしいんです!
ドストエフスキー/北垣信行訳『罪と罰(中)』
ヴォルデモートが最後にそこにいたという噂のある場所ずばりだ。
ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上)』
怪しい点は多々あっても、ずばり大きな摘発が出来ていないという意味であった。
山崎豊子『華麗なる一族 中』
ずばりといわれたときには、予期していたことながら、
さすがに於蝶も胸をつかれる思いがした。
池波正太郎『蝶の戦記 上』
その点をわたしはずばりと切りこんだ。
和田はつ子『薬師』
英語
英訳、直訳を含めて列記すると、
powerful,precisely,right,straight,straightforward
ずばりと言う
speak out
frankly speaking
say point-blank
まとめ
ズバリとは、切り落とすの意と要点を突くという意味でした。
ズバズバやずばりずばりといった派生語。
「と」をズバリの前に置くケースと省略する場合があり、
とを付けると意味が通りやすくなるのでした。