小春日和とは?
小春の季節とは、いつ頃だろう。
小春日和は秋・限定ワード?
誰が「今日は小春日和」を決めている?
インディアン・サマーについて。
名前の「小春」ちゃんは春の子か秋の子なのか。
使い方や季語はどうか?
小春日和について、いろいろと記してみました。
小春・日和~それぞれの意味
小春の季節
旧暦の10月~
現在の10月の終わりから12月上旬頃まで。
二四節気だと、晩秋から初冬のあたり。
この時期を「小春」と呼びます。
読みは、「しょうしゅん」または「こはる」
旧暦10月の別称に
「小春(こはる)」「小陽春(しょうようしゅん)」
と、いう別称があります。
「神無月(かんなづき・かみなしづき)」が代表的な
和風月名です。
逆に、出雲や諏訪では「神在月(かみありづき)」ですね。
鎮祭月、神甞月(かみなづき)ともいいます。
小春日和とは?その意味
穏やかで暖かい晴れの日のこと。
ちょうど、低気圧が日本列島から過ぎ去って、
張り出した(移動性)大陸高気圧が日本をおおい、
何日間か小春日和が続くときがあります。
ただ単に暖かい日だと、「秋晴れ」「秋日和」
~雲ひとつない晴天で、空高く空気が澄んでいること。
小春日和はいつか?
小春の季節~旧暦の10月。
今の11月(10月終わりから12月上旬)に訪れる、
暖かい日々を「小春日和」といいます。
日和とは?
「日和」とは空模様のことです。
読みは「ひ・より」です。
「日和」単体だと「ひより」
なにか言葉がついて複合語だと「び・より」になります。
「連濁」のことですね。
~下の語句の最初の音が静音から濁音に変化する。
よって、小春日和だと「こはる・びより」です。
形勢、くもゆき、事のなりゆき。
また、なにかするのにふさわしい天気のことが「日和」です。
インディアン・サマー
インディアンサマー「Indian Summer」という言葉。
こちらも晩秋、初冬の(9月~11月)頃に、
晴天が続いて日中が高温になる日々を、
北米では、インディアン・サマーと呼ぶそうです。
1778年に使用したと歴史にありますが、起源などは不明。
アメリカ・インディアンがこの季節に狩りをした、
先住民族の人びとがヨーロッパ人に教えたからなど、
諸説あります。
実は、世界中に同様の~晩秋の頃の暖かい日々を示す言葉が存在します。
ドイツやオーストリア、スイスあたりでは"Altweibersommer"
英語に訳すと"old women's summer"、
日本語だと「老女の夏」でしょうか。
ロシアやスラブ語圏だと、「バービエ・レータ」
婦人の夏と呼ぶそうです。
※小春日和を英訳すると、Indian Summer ではありません。
似たような時期に、似たような季節を表現する言葉があるということです。
小春日和のあれこれ~季節・季語・名前
小春日和は誰が決めるの?
気象予報士によって「小春日和」かどうか、
判断されます。
一定の基準があるようですが、予報士によって違いがあるそうです。
「晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな晴天」が気象庁の定義。
これだと、時期の解釈で人によって変わってきますよね。
テレビ局の予報士によって、「今日は小春日和ですね」と、
言う人と言わない人が出てくるのですね。
小春の使い方
文章で使う場合、
「暖かで春のよう」と形容する場面で使います。
昨日も今日も秋の日はよく晴れて、げに小春の天気、
仕事するにも、散策を試みるにも、また書を読むにも申し分ない
気候である。
小春 国木田独歩そのうち秋が小春になった。
文鳥 夏目漱石そう言えば今年の秋も、もういつか小春になってしまった。
樗牛の事 芥川龍之介
小春空(こはる・ぞら) 小春の頃のうららかに晴れた空。
小春凪(こはる・なぎ) 小春の頃の海のなぎ。
小春日(こはる・び) 小春の頃のうららかな日。その日差し。
その小春ちゃんは間違い?
2014年、文化庁が発表した「国語に関する調査」によると、
「初冬の頃の、穏やかで暖かな天気」で使う人が51.7%。
本来の意味とは違う、
「春先の頃の、穏やかで暖かな天気」で使う人が41.7%。
約半分の人びとが、間違って使っている結果になりました。
「小(こ)」が名詞の前につくと、小雨、小石、小江戸など、
小さい、小規模のといった意味が接頭語として付きます。
「小春」は、小さい春だから~春のような、春の前触れと連想しても
変ではないですよね。
しかし、冬の前の秋。
晩秋の頃を「小春」と呼ぶのでした。
だからといって、名前の「小春」ちゃんはOKだと思います。
大アリです。
10月や秋専用ではなく、2月~4月はもちろん、
いつの季節でも名付けて良いと。
小春とは、春の「兆し」。
みなが待ち望む吉兆の意味でもあるのですから。
響きも素敵ですしね。
小春日和の季語
小春日和の季語は「冬」
晩秋から初冬のあたりの晴れた気候のこと。
1月、2月の暖かい気候のことを、
「小春日和」とするのは、誤用。
季節は冬=小春日和=冬の季語
だからといって、2月の冬ではありません。
冬日和、冬晴れ、冬うらら、冬麗(とうれい)、など、
冬(1月)の暖かさを表現する言葉は他にもあります。
まとめ
小春日和について、あれこれと書き記しました。
小春日和とは、
秋にカラッと晴れる日(々)のことを意味するのでした。
小春は、旧暦10月(神無月)の別名称~
旧暦10月から、今の11月頃を指す言葉です。
インディアン・サマーは、小春日和の英訳ではなく、
同じような季節の名称をいうのでした。
また、「小春」という名前は秋限定ではなく、
好みの問題だということでした。
5月に生まれていない「星花」さんや
8月生まれでない「葉月」さんは、たくさんおられますから。
以上、小春日和についてでした。