クロスカントリーのルーツとルール&オリンピックの日程
投稿日:2018年1月17日 更新日:
スキーの原点といわれるクロスカントリーについて。
オリンピックの正式種目、クロスカントリースキーの歴史とルーツ。
そして、走法で変わるルールの紹介。
平昌オリンピックの競技種目と日程についてまとめました。
目次
クロスカントリーの歴史とルーツ
現在、知られていいるノルディックスポーツの原点。
あらゆるスキースポーツの元となるのがクロスカントリースキーという種目です。
スキー(ski)という言葉は元来、古代ノルウェー語の”skíð”という「木の棒」という意味から来ています。
日本の歴史より古い5000年以上前から、クロスカントリースキーの原型であるスキーが生活の営みとして存在していたとされます。
特に18世紀頃の北欧では、交通面(生活圏の移動)と軍事面においてクロスカントリースキーが飛躍的に発展します。
1902年、日本人がスキー道具を初導入したのはノルウェー大使によってとあります。
理由は、雪嵐の行軍で日本兵士に死者がでたことがきっかけなのだとか。
1767年には軍事スキー競技会の場で、ルールが成文化されています。
・「トップスピード」でスキーをしつつ、40~50の的を撃つ。(バイアスロンのルーツ)
・スキー板から落ちず・壊さず、木々の間を滑る(スラロームのルーツ)
・大きな斜面を休むことなく滑降(ダウンヒル・滑降のルーツ)
・約2.5kmの平坦道を15分以内軍事装備を背負いつつの長距離走(クロスカントリーのルーツ)
18世紀の軍事的に組織されたスキーがノルウェーでスポーツ化を果たし、19世紀初頭には滑降スキーやクロスカントリースキーの競技が開催されていました。
1924年の第1回冬季オリンピック・シャモニー大会よりクロスカントリーは正式種目として採用され、52年のオスロ大会より女子種目が追加。
76年には、パラリンピック・クロスカントリースキーが追加されました。
日本勢のメダル獲得は未だ、ありません。
クロスカントリーのルール
ルールは、2つの走法によって大別される。
クラシカル走法(交互滑走法)とスケーティング走法(フリー)の一方か両方を組み合わせた競技があります。
競技コースは、上り坂・平坦・下り坂の区間がそれぞれ比率1/3で構成されることが規定で定められています。
男子・女子で6種目、計12種目がオリンピックで開催されます。
クラシカル走法
両足を平行にし、すり足で移動推進する交互滑走(ダイアゴナル)、スキーポールを支持点に体を屈曲して足を揃えて移動する推進滑走、スキー板をV字開脚して左右交互に重心移動をして登坂する開脚登行、これらをコースによって使い分け競技します。
スケーティング(フリー)走法
走法技術に制約がなく、下り坂滑降以外は、スケート技術を応用したスケーティング滑走で競技します。地形や状況によって数種の技術を使い分けています。
クラシカルは、足を上げての走法ができないのでワックス選定が需要になります。
フリーとクラシカルでは、機材の靴やワックスに至るまで違いがあります。
個人競技
それぞれ15-30秒間隔でスタート、男子15km、女子10kmをクラシカル走法またはフリー走行。
スキーアスロン
前半をクラシカル走法。後半をフリー走法。
両走法を連続で行う競技です。ピットと呼ばれる中継地点で機材を交換して順位を競います。
同時スタートで男子30km、女子15km。
スプリント
4名の同時一斉スタートで男子は1km~1.8km、女子は0.8km~1.6kmの周回コースを争い、着順・勝ち上がり方式で予選・決勝が行われます。
チームスプリント
1チーム2名構成。4~5の同時一斉スタートを行い、男子1km~1.8km、女子0.8km~1.4kmの周回コースを規定周回毎に交代(3~6回)しつつ着順を競い予選・決勝を行う。
マススタート
全選手が一斉スタート。
男子50km、女子30kmをクラシカル、またはフリー走行で競う。
リレー
1チーム4人構成で、1番手と2番手の走者はクラシカル走法、3、4番手の走者はフリー走法。
男子は10km×4人、女子は5km×4人で走行し争う。
平昌オリンピックでのクロスカントリー競技と日程
平昌オリンピックでのクロスカントリースキーの日程は以下の通り。
日時 | 時間 | 種目 |
10日 | 16:15 | 女子15kmスキーアスロン |
11日 | 15:15 | 男子30kmスキーアスロン |
13日 | 17:30 | 男女スプリント予選・決勝 |
15日 | 15:30 | 女子10kmクラシカル |
16日 | 15:00 | 男子15kmクラシカル |
17日 | 18:30 | 女子4×5kmリレー |
18日 | 15:15 | 男子4×10kmリレー |
21日 | 17:00 | 男女団体スプリント予選・決勝 |
24日 | 13:30 | 男子50kmフリー |
25日 | 15:15 | 女子30kmフリー |
クロスカントリースキーのまとめ
北欧では、冬の日常の足として一般の人達がクロスカントリースキーを用いて生活しているのだとか。
フィンランドでは、3歳になるとクロスカントリースキーを覚え始めるといいます。
そら、日本勢は敵わないやとなりそうですが。
粘り強い姿勢とワックス選定に強みがあると聞きます。
同じアジアの地で開催されるオリンピック。
健闘を祈って終わりとします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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